今、もっともトレンドな占いはこれ
易―中国古典選〈10〉
本田 済
朝日新聞社 刊
発売日 1997-02
実用にも使える 2005-10-10
哲学書として読む方と(晩年の孔子が本を綴じたひもが三回擦り切れるく
らい熟読したという伝説がある)、占いの書として実用的に使おうとする方
とあるだろう。本書はその両方の目的に堪える。
簡単に占いについて書いておこう。洋の東西を問わず、占いは二種類に分
けられる。星占術と偶然性を利用したもののふたつである。例えばカバラな
どは前者に、タロットは後者に分類される。もちろんおみくじは後者だ。易
は、東洋占術の中で代表的な後者に属するものだ。じゃらじゃら(メドギと
いう植物を使う)でもコインでも占い可能である。
注目すべきは易の特異な思想だ。通常、占いは「変更不可能」を特徴とす
る。実際、始皇帝が、自分の満足のゆく結果がでるまで占いを続けさせ、そ
れならば占いなどする必要などない、と言ったエピソードは有名だが、本書
にも「二度占ってはならない。占いが穢れるからだ。穢れると真実は告げら
れない」とはっきり書いてある。
では、不幸にも「凶」の暗示が出たらどうすればよいのだろうか。ここに
「易」の特徴がある。易の思想は、災難をあらかじめ知り、その被害を少な
くするために未来を予知する、ということにある。つまり、人為的な努力に
よって未来は変更可能だと考えるのだ。ここに未来は固定されたものとみな
す西洋占術との大きな違いがある。
あとは原文に当たっていただきたく思う。何か一つでも西洋の占いに親し
んでおいたほうが、易の特質に対する理解は深まるかもしれない。